思想と思索のめもろぐ。 ・・・の、ろぐ。

はてなダイアリーで展開していた「思想と思索のめもろぐ。」のログ置き場です。新規更新は未定。

ひぐらしとソースロンダリングとメディアリテラシー

 で、ちょっとぶち切れ寸前なので久々にコラムでぶちまけてみる。
長くなるので追記で。


 正直言って、この件について、
昨日の日記で呟いたこと以上のことを語る気はなかったんですけどね・・・。
ちょっとあまりに見てられない惨状になりかかってる気がするので。
何についてかって、一昨日アキバであったっていう刺傷事件。参考(アキバBlog)
知らない人に向けて解説しておくと、一昨日アキバの某ショップで
客同士の小競り合いの末に片方が相手をナイフで刺す、という事件がありまして。
それが幾つかのBlogで取り上げられた・・・そこまではよくある話。
しかし、そのうちの一つ(参考リンクしたアキバBlogさんではないです、念のため)が、
あたかも犯人の言葉であるかのように、
ひぐらしが馬鹿にされた」という一文を見出しにつけて発表してしまいました。
ひぐらし・・・そう、ウチのこのBlogでも何度となく話題にする
ひぐらしのなく頃に」のことです。
その結果、そこ経由でその話題を取り上げたBlogやニュースサイトの多くが、
ひぐらしの絵が馬鹿にされたから刺したらしいよ〜」みたいな感じで記事を書き、
その件が当然ながら本家にも波及。
結果、作者の竜騎士07さんが遺憾の意を表明するまでの事態に・・・。


 さて、ここで重要な点が一つ。
なぜ、「ひぐらしが馬鹿にされた」という一文が件のBlogに載ったのか?
警察発表? いやいや、よくよく調べてみればなんのことはない、
単に2chのスレッドにそんな一文が書き込まれていただけに過ぎないのです*1
2chの情報が嘘ばかりとは言いません(実際そこから意外なことを知ることもある)が、
ソースとするには余りにも弱すぎる、いち書き込み。
ところが、これが大きなBlogの、しかも見出しで取り上げられたことで、
そのBlogがソースとなってあたかも真実のように一人歩きを始めてしまった・・・。
正直に言って、ファンの一人としてこれほど迷惑な話はないです。
竜騎士07さんには皆殺し編の製作に集中していただきたいというに・・・。
今回の件が氏の精神状態に悪影響を及ぼさなければ良いのですが・・・*2


 で。
信憑性の薄い書き込みを見出しで大きく取り上げてしまった件については、
件のBlogの責任は重い、と自分は考えています*3
とはいえ、件のBlogだけを責めて始まるものでもない、とも。
前にウチのBlogでもネタにした、「父親をフランスパンで殴った息子」や
「テニヌの王子様」なんかの嘘ニュース騒動でも思ったことですが、
いくら何でも「疑ってみる」事を知らなすぎる人が多すぎやしませんか?


 政治問題に関して自分がよく見に行くBlogがあるのですが、
そこで以前「ソースロンダリング」という言葉が定義されていました。
どうやらはてなキーワードにもあるようなので詳細は省きますが、要は
「信憑性の薄い情報源(ゴシップ週刊誌やスポーツ紙など)の情報を、
 信頼性のあるメディア(TV番組や一般新聞など)で取り上げることによって、
 真実であるかのように既成事実化してしまう」ことです。
嘘ニュースに絡む一連の騒動も、今回の一件も、
要はこれがネット上で起こっているに過ぎません。
冗談で作られた嘘記事や、只の匿名の書き込みが、
Webサイトを巡るうち真実味を増してしまった、ということ。
では、どうすればこのようなことがなくなるか?
自分が思うに、これに関しては、誰かを責めても解決しないし、なくならない。
ひとりひとりが気をつける他ない、と考えています。
結局、自分の身は自分で守るしかないんですよ。
嘘ニュースのような他愛も実害もないものなら、
まだ騙されても笑い事で済むでしょうし、
今回もまだ事件としては大きなものでない(被害者も軽傷でしたし)から
そのうち自然消滅すると思いますが(というかしてくれ)、
もっともっと大きな事例で、今回のような
「嘘か真実かわからない発言が真実になる」事態が発生してしまったとき、
今のままだとネット上は非常に危うい、そんな気がしています。


 あらかじめ言っておくと、嘘ニュースのような笑えるネタは、
自分もジョークとしては大好きです。じゃなきゃマッドニュースなんて作ってません(笑)
しかしそれを真実として語ってしまうのは、粋を通り越してもはや無粋でしかないです。
もし、万が一にもウチの公開してるマッドニュースを真に受けて、
NHKのアナウンサーが時刻間違えたんだって〜」とか書いてる人がいたならば、
即刻「迷惑だからやめぃ」と注意しに行きますよ、わたしゃ*4


 東方花映塚のネタバレですが、ラスボスの発言にこんなのがあります。

新聞で事件を知らしめることは、新たな事件を生む種になる。
事件を追っているつもりが、自分が事件を誘発している。


本当に真実を書くのは不可能なことです。
何故なら、そこには記事を読む人が居るという事実を含めることができないからです。
記事を書けば、事実が変わる。
事実が変わったのを見て記事を変えれば、また事実が変わる。
貴方は、事件を誘発する覚悟で記事を書かなければいけない!

 自分がネタにすることで、少なからず影響を与える可能性があること。
それが分かっていれば、生半可なことは書けなくなります。
冷静にソースを当たり、取り上げる・信用するに足る情報であるかを吟味すること・・・。
それを、世のBlog・サイト管理人、そして多くの閲覧者は肝に銘じておくべきかと。
・・・勿論、自分も含めて、なのですが。
自分もここ最近、裏付けのないままに文章書いて修正に追われたことがありました。
反省しつつ、気をつけていかねばな、と思っております。


 長くなりましたが、書きたいこと書いてすっきりしたので、この辺で。
・・・うーむ、勢いに任せてなんか変なこと書いちゃったかなぁ(汗)
でも、自戒も込めてこのままで載せておくことにします。

*1:自分が探した限りでは、ですが。
もしもっとアテになるソースがありましたらご一報いただけると。

*2:ただでさえ鬱状態から立ち直ったばかりなんですし。

*3:ちなみに現在は見出しは修正されたようです。

*4:流石にそんな奴は現れないと信じたい・・・(汗)